平和主義

1.憲法第9条

日本国憲法の三つの基本原理は、@国民;主権:、@基本的;人権の尊重:、@平和;主義:

〜第9条〜

� 日本国民は、正義と秩序を基調とする国際平和を誠実に希求し、@国権の発動たる;戦争:と、武力による威嚇または@武力の;行使:は、国際紛争を解決する手段としては、@永久にこれを;放棄する:。

�A 前項の目的を達成するため、陸海空軍その他の@戦力は、これを;保持しない:。@国の交戦権はこれを;認めない:。 

 憲法9条のポイントは、「@;戦争:の放棄、@;戦力:の不保持、@;交戦権:の否認」。

2.自衛隊

 年号

事件

内容

1950

@警;察予備隊:発足

・@朝;鮮戦争:により、日本を占領していたアメリカ軍が朝鮮半島に出兵してしまう。
・そんなアメリカ軍が留守の間に、@;ソ連:が日本に進出してくることに警戒して、アメリカ軍が日本人による防衛組織をつくらせる。
・総員7万5000人。

1952

警察予備隊が
@保;安隊:に改称

・1951年の@日;米安全保障条約:を受けてパワーアップ。
・陸上の警察予備隊と海上の海上保安隊が合体して発足。
・総員11万人

1954

保安隊が
@自;衛隊:に改称

・1953年の@M;SA協定:を受けてパワーアップ。
・新たに航空自衛隊が設置され、陸・海・空のそろった自衛隊が発足。
・総員25万人

 「自衛隊は戦うための戦力ではなく、@国;を守るための実力:であるので持ってもよい。」

このような考え方のことを@専;守防衛:という。

3.在日米軍

 年号

事件

内容

1951

@日;米安全保障:条約

・アメリカ軍が日本に残り、日本周辺の安全を守る。
・日本国内に在日米軍基地がつくられる。(沖縄、三沢、横須賀、岩国など)

1960

@日;米安全保障:条約
の改正

・アメリカ軍と自衛隊が協力して、日本の周辺を守る。
・国民は大反対するが、岸内閣は国民の反対を押し切って強行採決する。(=@安;保闘争:)

・米軍の日本@防;衛義務:と@事;前協議性:を追加

@日;米地位:協定

・日米安全保障条約の改正とともに結ばれる。
・米軍基地内に日本の法律は適用されない。
・米軍人が犯罪を起こしても、裁判までは日本の警察は逮捕できない。

3.自衛隊、在日米軍をめぐる裁判

 というわけで、自衛隊、在日米軍をめぐる問題点について解説してきましたが、このような問題が裁判で争われたこともありました。前回の授業で説明したように裁判所は全ての法律が憲法に違反しないかどうかチェックする@違;憲立法審査権:を持っています。その結果、裁判所が自衛隊や在日米軍が憲法に違反しないか審査したことがありました。以下がその裁判です。

事件

内容

自衛隊

@恵;庭:事件

・北海道恵庭町の酪農家が、自衛隊の射撃訓練の騒音のせいで、牛の乳の出が悪くなったことに腹をたて、自衛隊の敷地内の通信線を切断する。

第一審:無罪確定。(本音:無罪にしてやるから、これ以上自衛隊のことで文句言うなよ!)

@長;沼ナイキ基地:訴訟

・北海道長沼町の森林を伐採してナイキミサイル基地が建設されることに、住民が反対する。

第一審:福島裁判官は、上司の平賀裁判官から違憲判決を出さないようにアドバイスを受けていた(@平;賀書簡:問題)にもかかわらず、自衛隊は@憲;法違反:であるという@;違憲判決:を出した。(そのせいで一生出世できなかった。)

第二,三審:@統;治行為:論により、憲法判断は避ける。住民側敗訴。

@百;里基地:訴訟

・茨城県の自衛隊機地建設をめぐり、国と建設反対側住民が対立。

第一,二,三審:@統;治行為:論により、憲法判断は避ける。住民側敗訴。

在日米軍

@砂;川:事件

・東京都砂川町の米軍基地の拡大工事に反対する人たちが、柵を破って敷地内に入ってしまう。

第一審:伊達裁判官が、在日米軍は@憲法違反:であるという@違憲判決:を出した。

第三審:@統;治行為:論により、憲法判断は避ける。住民側有罪。

4.平和のための取り組み

 @非;核三:原則は日本は核兵器を「@つ;くらず、もたず、もちこませず:」という原則。

1972年に当時の総理大臣佐藤栄作首相が考えた言葉で、国会でもこの原則が決議。

@武;器輸出三:原則は日本は武器を共産圏(社会主義国)、国連での武器輸出禁止決議国、紛争当事国には輸出しないという原則。

@シ;ビリアン・コントロール:(文民統制)は自衛隊の指揮監督権は軍人ではなく、文民(国会、内閣)に持たせようという原則。

@集;団的自衛権:の禁止は自分の国が攻撃されたときだけでなく、自分の同盟国が攻撃されたとき、その同盟国を助けて戦う権利の禁止のこと。

防衛費を@G;NPの1:%枠。1987年の@中;曽根内閣:のときに撤廃。

5.最近の動き

 年号

事件

内容

1991

自衛隊の
ペルシア湾 派遣

・1991年の@湾;岸戦争:において、日本は「金は出すが人は出さない」と文句を言われたので、おわびに湾岸戦争が終わったペルシア湾に@海;上機雷:を除去するために自衛隊の掃海艇を派遣。
・自衛隊初の@海;外派遣:。

1992

PKO協力法
(国連@平;和維持活動:協力法)

・自衛隊が国連のPKOに参加するためなら、海外に派遣できるようになる。
・あくまで平和の維持のために行くのであって戦いに行くのではない。
・PKOに所属する軍隊である@P;KF:(国連平和維持軍)には参加できない。
・この年にさっそく@カ;ンボジア:のPKOに参加。

1996

日米@安;保共同:宣言

・冷戦の終結に伴い、日米安全保障条約の位置付けを「対ソ連」から「対北朝鮮」に変更する。

1997

新@ガ;イドライン:

・@周;辺事態:(第二次朝鮮戦争)が起きた時のために、日本がどのような方法でアメリカ軍を支援するかを具体的に規定。
・自衛隊だけでなく、民間人も協力することが規定される。

1998

テポドン事件

・@北;朝鮮:の実験ミサイル「テポドン」が、日本上空を通過して太平洋に落下。

1999

@ガ;イドライン:関連法

・1997年の新@;ガイドライン:の締結に基づき、国内法を整備。
・@周;辺事態法:を制定して、自衛隊が米軍の後方支援をすること、民間人・自治体が港湾、空港、病院などを提供することが規定。
・自衛隊法が改正されて、外国に住む日本人を救出するために、自衛隊が出動することが可能になる。
・これらには国会の承認が必要だが、緊急の時には事後承認でも良い。

2001

@テ;ロ対策:特別措置法

・@ア;メリカ同時多発テロ事件:をきっかけにして、テロと戦うためなら(2年間に限り)自衛隊を戦争中の場所へも派遣できるようになった。
・これによりPKFへの派遣も可能になった。

2003

@有;事法制:関連法

・北朝鮮から日本への直接攻撃があった場合、自衛隊を戦闘可能にし、民間人もこれに全面協力することが義務付けられる。

@イ;ラク:特別措置法

・イラク戦争で混乱したイラク国民を助けるため、今だけ例外として自衛隊を海外に派遣する。

苦手マーク全消去

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政治経済