日本の企業
1.3つの経済主体
経済とはお金の流れのこと。
お金というのは@家;計:、企業、政府という3つの経済主体の間を循環している。
家計の内、給料の中から国に税金や年金などの社会保険料を支払って残った、家計が自由に使えることができるお金のことを@可;処分:所得という。
2.株式会社
種類 |
特徴・業務 |
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私企業 |
会社企業 |
合名会社 |
親族など、2人以上の無限責任社員による出資で経営。 |
合資会社 |
2人以上の無限責任社員と有限責任社員による出資で経営。 |
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有限会社 |
50人以内の@有;限:責任社員による出資で経営。 |
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@株;式:会社 |
株式を発行して売り、株式を買った有限責任社員による出資により経営。 |
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@組;合:企業 |
農協(農業協同組合) |
農家の出資により経営され、農作物の買取、販売などを行う。 |
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生協(生活協同組合) |
消費者(主婦など)による出資で経営され、生活用品の低価格での仕入れ、販売などを行う。 |
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公企業 |
国営企業 |
国有林野 |
国有林の管理、木材の販売などを行う。(農林水産省の管轄) |
印刷事業 |
日本銀行券(紙幣)の印刷などを行う。(財務省の管轄) |
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造幣事業 |
硬貨、記念硬貨などの造幣を行う。(財務省の管轄) |
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公庫 |
例:日本政策金融公庫 |
国民に安い利子でお金を貸し出す。 |
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公私混合企業 |
@第三;セクター: |
例:USJ、ハウステンボス |
地方公共団体と、民間企業が共同出資で経営する企業。 |
民営化された
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例:JR7社、NTT、JT |
元々は公企業だったが、民営化して民間企業になったが、その特徴が公共的なことから、いまだに国の関与が残る企業。 |
無限に会社の借金について責任を負わないといけないのが@無;限責任:社員。
会社に対する出資額以外の会社の借金は責任を持つ必要がないのが@有;限責任:社員。
@株;式:を発行して多額の資金を集めることができる企業が株式会社。
株式を買うメリット
① 年1回程度、買った株式の10%程度の金額のお金を@配;当金:としてもらえる。
② 株式を売買して利益をえる(損することもある)
③ 年1回の@株;主総:会に出席し、一株一票の投票権をもって、取締役(社長や専務)の選出にも参加できる。
日本の株主は個人で株式を買う個人株主よりも、会社などの団体が株式を買う@法;人:株主のほうが多い。株式を買い占めることによりその会社をのっとることを@M;&A:といい、ある会社の株式の3分の1以上を買い占めると株主総会の決定に@拒;否権:をもつことができ、過半数を買い占めたら株主総会の決定を思い通りにすることができる。
日本の株式会社は会社を所有するのは株主だけれどもほとんど経営には口出しせず、実際の経営は経営者である社長たちが自由に行っていることから、@所;有と経営:が分離しているといわれる。
3.市場の失敗
アダム・スミスは自由な経済活動を強調し、「自由な経済活動を行えば、@神;の見えざる:手に導かれて、国民全員が幸福になれる」と言った。しかし、自由な経済活動のことを@市;場:経済というが、この仕組みにはいくつかの欠点があり、そんな欠点のことを@市場の;失敗:という。
3つの市場の失敗
①市場の独占
あまりにも強力な大企業が出来上がってしまうと、少数の大企業がその業界での売り上げを独占してしまって、中小企業は太刀打ちできなくなってしまう。 正式には、1つに企業による独占をそのまま@独;占:というのに対して、少数の企業による独占のことを@寡;占:という。
さらに、市場の独占は、プライス・リーダー(価格先導者)とよばれるその業界で最大手の企業が決めた価格に他企業も従うことになり、この価格を@管;理価格:という。これにより商品の価格が高止まりする@価格の;下方硬直:化と呼ばれる現象が起き、消費者が不利益を被る可能性がある。
また、管理価格の下ではテレビによるCM競争やおまけによる競争が起き、このような値下げによらない競争のことを@非;価格:競争という。
日本政府は@独;占禁止:法という法律を制定することにより、市場の独占を@公;正取引:委員会がその取締りに当たっている。
独占禁止法で禁止、制限されている独占の形態は次の3つ
・ @カ;ルテル:(企業連合)・・・同業種の企業が極秘に話し合いを持ち、商品の価格などを同一のものに取り決める。
・ @ト;ラスト:(企業合同)・・・極端に大きな同業種の企業が合併し、経営規模を大きくする。
・ @コ;ンツェルン:(企業連携)・・・異なる業種の企業集団を親会社(持株会社)が中心となってまとめ上げ、極端に巨大企業グループをつくる。
カルテルについて
1953年の改正で、不況のときにだけ特別にカルテルを結んでもよい@不;況カルテル:と、商品の欠陥を改善するために一定期間一定の価格で売ることが必要であると、特別に公正取引委員会の認められた場合だけ結んでもよい@合;理化カルテル:というのが、例外として認められた。しかし、1999年の独占禁止法の改正により、現在では全てのカルテルが禁止されています。
1953年の独占禁止法の改正のときに@再;販売価格:維持制度が導入され、同じような種類の本、新聞、雑誌、CDなどは、新人の作家などを育てる目的で、同じ価格で売ることが義務付けられた。しかし、現在はこれにより指定されていた商品の数も少なくなってきている。
トラストについて
同業種ではなく、違う業種の企業を吸収合併することを@コン;グロマリット:(複合企業)という。
コンツェルンについて
コンツェルンのトップに立つ親会社のことを@持;株会社:というが、多数の子会社の株式を持つことを専門とする会社の事で、子会社に指示を出しながらグループ全体をまとめる役割を果たす。
第二次世界大戦前までの日本では、@四;大財閥:と呼ばれる三井、住友、三菱、安田が巨大コンツェルンを作り、日本経済を支配していた。第二次世界大戦が終結すると、アメリカ軍の政策により財閥が解体させられ、その後制定された@独;占禁止:法の中で、持株会社を設立することが禁止された。
1997年の独占禁止法の改正により、外国の元気のいい企業に対抗するため、持株会社は再び作ってもいいことになった。
②外部不経済の発生
自自由な市場経済の失敗の2つ目として、売り手と買い手の経済活動が、気付かないところで第三者を不幸にする@外;部不:経済がある。例として
・ 工場の周りに住民が@公;害:による被害を受ける
・ 大型スーパーの開店により周りの住民が@交;通渋滞:で迷惑する。
また、外部不経済の対義語で外部経済というのがあります。これは売り手と買い手の経済活動が第三者に不利益を与える外部不経済とは逆に、売り手と買い手の経済活動が第三者に利益を与えることがある。例として
・ 温泉ホテルの開業により周りの飲食店ももうかる
・ 工業団地の形成により労働者のために路線バスが開通し、地元住民も利用できる
③公共財が供給されない
多くの人が無料で利用する道路や橋などの@公;共財:は、利益にならないことから企業は作らないので、政府が税金を使ってつくることによって、その失敗を補っている。