裁判所
1.裁判所の種類
76条
� すべて司法権は、最高裁判所及び法律の定めるところにより設置する (下級※)裁判所に属する。
�A (特別裁判所※)は、これを設置することができない。 (行政機関 ※)は、終審として裁判を行ふことができない。
�B すべて裁判官は、その (良心※)に従ひ独立してその職権を行ひ、この (憲法及び法律※)にのみ拘束される。
下級裁判所には (高等裁判所※)、 (地方裁判所※)、 (家庭裁判所※)、 (簡易裁判所※) があり、裁判を三回まで受けなおすことができるという (三審制※)を採用している。3回目の判決が出たあとでも、新たな証拠が見つかれば裁判をやり直すことができる ( 再審制※)の制度もある。1回目の裁判に不満を持ち2回目の裁判を要求することを (控訴※) 、2回目の裁判にも不満を持って3回目の裁判を要求することを (上告※)と言う。
小さな事件(刑事事件では罰金刑以下、民事事件では請求額140万円以下)の裁判は (簡易裁判所※) から裁判がスタートする。裁判官の判断で、重要事件などは地方裁判所の次にいきなり最高裁判所に持っていかれる (跳躍上告※)(飛躍上告)がある。
明治憲法のころには、裁判所のほかに、軍隊には (軍法会議※)と呼ばれる (特 別裁判所※)が設置されていた。
( 行 政委員会 ※) の判決で (控訴※)した場合、次は高等裁判所で裁判が行われ、さらに最高裁判所、という順番になる。
明治憲法の下で裁判所の判決に、内閣が口出ししようとした事件があり、1891年の (大津事件※)の時、大審院長(現在の最高裁判所長官)の (児島惟謙※)は、内閣の要求を拒否し、津田巡査を無期懲役にすることによって (司法権の独立 ※)を守った。
2.裁判官
①裁判官の指名、任命など
( 下 級裁判所の裁判官 ※) は法務省がつくる名簿の中から (内閣※)により任命される。
最高裁判所長官は (内閣が指名※)したあと (天皇によって任命 ※)を受けることになっており、残る14名は (内閣※)が任命。
( 裁 判官の独立 ※) が脅かされそうになった事件として、1973年の (平賀書簡※)事件 があり、裁判を担当した福島裁判官は、上司である平賀裁判官のアドバイスを拒否し、自衛隊の違憲判決を出した。
②裁判官の罷免の理由
( 心 身の故障 ※)、 ( 弾 劾裁判 ※) 、最高裁判所の裁判官だけは、この他に衆議院選挙の時の (国民審査※)
3.裁判の種類
●刑事裁判
( 刑 事裁判 ※) は犯罪を起こした疑いで逮捕された人を裁判で裁く。疑いをかけられ出頭した人を (被告人※)といい、 (検察官※) が集めてきた証拠を裁判所で発表する。
被告人には (弁護士を雇う権利※)があり、お金がないときには国が (国 選弁護人※)を雇ってくれる。
被告人は (証拠が自白だけ※)の時には有罪にされない。
被告人には (黙秘権※)も保障されている。。
裁判は原則として ( 公開 ※) 。例外として (少年※)犯罪は公開されない。
無罪が確定した人を再び裁判にかけてはいけないという (一事不再理※)や、あとから作られた法律で昔の犯罪を裁いてはだめだという (遡 及処罰※)の禁止などがある。
●民事裁判
( 民 事 ※) 裁判 は、普段の生活において2人以上の人が対立し、問題を解決してもらうために、どちらかが裁判所に訴えることによる裁判。
貧しくても国は (国選弁護人※)は雇ってくれない。
●行政裁判
国民が原告として国や地方公共団体を訴える民事裁判のことを (行政裁判※)という。
4.違憲立法審査権
裁判所は国会が作った法律が憲法に違反していないか審査する (違憲立法審査権※)を持ち、そのほかに政府が行った (命令※)、(規則※)または (処分※)に対しても憲法に違反していないかチェックすることができる。日本では (全ての裁判所 ※)が持っている。
イギリスは憲法を持っていない (不文憲法※)の国であるため (違 憲立法審査権※)はない。
違憲立法審査権は (具体的な事件※)を扱っている途中にしか使うことができない。
法律が違憲判決を受けても、法律を廃止する権利は (国会※)のみが持っているので、その法律はすぐに廃止されるわけではない。
最高裁判所が違憲判決を下した裁判
事件名 |
違憲とされた
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根拠となる
|
事件の内容 |
国会の動き |
(
尊
属殺重罰事件
※)
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刑法
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平等権(14条) |
父親からひどい性的虐待を受けていた娘が父親を殺害したところ、尊属(目上の親族)を殺した場合のみ罪が重くなることが問題となった。 |
1995年
|
(
薬
事法事件
※)
|
薬事法
|
職業選択の自由
|
スーパーの店長が、店内に薬局を開設しようとしたところ、半径100m以内に2軒以上の薬局を開設してはいけないという薬事法の規定によりできなかった。 |
1975年
|
(
衆
議院議員定数訴訟
※)
|
公職選挙法
|
平等権
|
都市部と地方で衆議院議員選挙の一票の格差が大きいことが問題となった。 |
1986年
|
(
共
有林分割訴訟
※)
|
森林法
|
財産権
|
兄弟で半分ずつ分けて相続した森林を、弟が売却しようとしたところ、森林の50%を越えて所有する人でないと、森林を売却できないという規定があり、できなかった。 |
1987年
|
(
愛
媛玉ぐし料訴訟
※)
|
愛媛県知事の行為 |
信教の自由
|
愛媛県知事が、県の公費から毎年、靖国神社に玉ぐし料を寄付していたことが問題となった。 |
県知事は
|
(
郵
便法事件
※)
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郵便法
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国家賠償請求権
|
郵便の配達が遅れたことにより、会社が大きな損失を受けた社長が、郵便局に損害賠償を訴えたが、郵便法の規定により郵便局には、損害を賠償する義務はなかった。 |
民営化
|
他にも (地方裁判所※)が違憲判決を出した事件として、長沼ナイキ基地訴訟や砂川事件などがある。
法律だけではなく、内閣や (地方公共団体※)の行為も違憲判決を受けることがある。
5.最近の司法改革
2004年から開校した (法科大学院※)を卒業すれば、卒業生の80%に裁判官、弁護士、検察官になる資格を与えるという制度に変更した。
2003年には全ての裁判の第一審の判決を2年以内に出すようにすることを目的にして (裁判迅速化法※)が制定された。
アメリカ、イギリスの裁判は一般人から選ばれた (陪審員※)が陪審員だけで多数決で有罪か無罪かを決定し、裁判官は懲役の年数などを決定する。この制度を ( 陪審制度※)という。
フランスやドイツ、日本の裁判は (陪審員※)と (裁判官※)が話し合って、有罪・無罪、懲役の年数などを全て決める (参審制度※)を採用している。日本の場合は (陪審員※)のことを (裁判員※)と呼ぶことにしたので、 ( 裁判員制度※)という名前になった。
2010年から (重要事件の刑事裁判※)においては、 (20※)歳以上の有権者の中からくじ引きで ( 6※)人の (裁判員※)が選ばれ、 (3※) 人の裁判官を加えた9人が話し合って、その裁判の判決を下すという (裁判員制度※)がスタートした。